● 乳幼児
小児期を以上のごとく分類していますが、社会学者の中には、子供とは両親の所有物ではなく、社会から両親に預けられたもので、社会生活に必要なエチケットを教育する義務が有り、その義務を果たす事により、子供を養育する権利が生じると、親子関係を定義している学者もある位です。
1.出生前期
a)細胞期(遺伝子及び染色体)
b)胎芽期(受精から3ヶ月まで)
c)胎児期(3ヶ月から出生まで)
2.新生時期(生後2週まで)
※ただしWHO並びに統計的には4週まで
周産期(胎生29週から生後満7日未満)
※但し、28週をとる意見もある
3.乳児期(満1歳まで)
4.幼児期(満6歳まで)
5.学童期(満12歳まで)
6.思春期(満15歳まで)※但し、異論あり
健康診断とは 身体、精神面で健全な発育を遂げているかを確認し、病気や発育の遅れを早期発見することが目的です。ただし、発育には個人差があるので、検診日にはできなくても、数週後にはできる様になる場合も多いので、他の子供と比較して遅れていると、心配しすぎない様にする事が大切です。健診(健康診断)は、身体測定、医師の診察、栄養指導が行われます。診察は、心音、肺の音と呼吸状態、腹部の触診と聴診、外陰部の異常、皮膚の色と状態、視力、聴力などをみます。
● 乳児期健診
新しい生命が誕生し幸せな時で、母親、父親として子供の発育が気にかかる時期で、先天異常の早期発見に努める時期でもあります。
1ヶ月健診
生後初めての定期検診で、重要な検診です。産まれた病院や小児科で受けます(有料)。
水頭症等先天異常の病気の有無、大泉門の開き具合、首のしこり(斜頚等)、臍の乾き具合、股関節脱臼の有無、神経半射(引き起こし反射、モロー反射、ランドー反射、原始歩行反射など)
また、この時渡されるビタミンKシロップの服用(頭蓋内出欠の予防)を忘れない事。
3〜4ヶ月健診
地方自治体による集団健診で保健センターより通知がある。
首のすわり具合を中心に、運動発達を確かめる。大泉門開度、斜頚、股関節脱臼、追視(目でものを追う)、音への反応、視性立ち直り反射、垂直吊り下げテスト、ランドー反射、把握反射、モロー反射、原始反射の大部分が消失する時期でありその事の確認。
6〜7ヶ月健診
委託健診で、自治体からの無料券を使って地域の小児科で。
お座りと寝返りができるか、手で物(積み木など)がつかめるか、が中心になる。
大泉門開度、腹部のしこりの有無、貧血、斜頚、足の突っ張り具合、追視、皮膚の状態、歯の生え具合、首のすわり、引き起こし反射。
12ヶ月健診
委託健診 近くの病院で受ける。
一人で立てるか、言葉(幼児語、ママやウマウマなど)が出るか、大人の真似ができるかが、大切です。貧血、歯の生え具合、小さい物がつまめるか等。
● 幼児期健診
本格的な社会生活トレーニングである学童期に向けての準備期間であり、身体の発育と同時に精神発育面が重要となってきます。色々な対人関係、エチケットのトラブル等も生じ、親子ともども成長していかねばならず、育児の相談も大切となります。
● 1歳6ヶ月健診
集団健診で通知がある。
歩行の安定性(10m以上転ばずに歩けるか、手足の協調性)、積み木等を使い指がうまく使えるか、大泉門が閉じているか、指示に従えるか、話し掛けに対する反応、大人の真似をするか等について見ます。(この健診で、様子を見るように言われたときや、心配事があれば、小児科で個別に2歳健診を受けること)
● 3歳健診
集団検診で通知がある。
尿検査を必ずします。これは腎臓の病気や糖尿病の早期発見のためです。大泉門が閉鎖しているか、歯の生え具合、喘息、低身長、肥満、姿勢(背骨の変形など)。
運動能力検査(バランス感覚が発達、ケンケンや台からの飛び降り)、視聴覚判定テスト(絵を答える、耳元の微かな音の聞き取り)、名前、年齢が言えるかも大切です。
● 入学前健診(4〜6歳)
入学までに治しておきたい病気をチェックします。
精神遅滞、言葉の遅れ、肥満、低身長、生活栄養指導、排泄習慣のチェック、心の問題のチェックも大切です。
● 市民検診の基本健康診査について
大阪市在住の40歳以上の市民は、大阪市保健事業としての基本健康診査を1年に1回受けられます。ただし事業所にお勤めの方は、そこで実施している年1回の労働検診を優先させてください。北区健康まつり(例年10月の土曜午後)や小学校での市民検診に参加しても受けられますが、年間を通しいつでも大淀医師会所属のほとんどの医院でも受けられます。
医院で受ける良い点は、
1.診療時間であれば随時に受けられる
2.視診・聴診・打診・触診等を検尿・血液検査以外にうけられる
3.検査結果を早く詳しく聞ける
4.生活指導・治療が遅滞なく受けられる
...など多数あります。
▼必須検査(無料)
希望者は問診で適応があれば肝炎ウィルス検査(1,000円)を、必須項目で異常のあるときは選択検査(600円)を受けることができます。
65歳以上の方は老人医療証・高齢受給証・老人助成証を持参すれば有料検査も無料になります。40歳から64歳の方で市民税非課税所帯・生活保護所帯に属する方も同様です。
▼基本健康診査の必須検査項目(無料)
1.身体計測( 身長・体重)
2.血圧測定
3.尿検査(蛋白・糖・潜血)
4.理学的所見(視診、聴診、打診、触診...等)
5.血液検査
・総コレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪・尿酸・総蛋白・血糖
・GOT・GPT・GTP・クレアチニン
▼基本健康診査の選択検査項目(有料)
1.ヘモグロビンA1C
2.貧血検査 赤血球数・ヘモグロビン量・ヘマトクリット値
3.心電図検査
4.眼底検査
▼基本健康診査で何がわかるか
高血圧・糖尿病・高脂血症・痛風・肝炎・腎臓病・肺炎・気管支炎・貧血の有無がわかります。生活習慣病のほとんどが含まれ、早期発見・早期治療により重症化する前に治療が開始できます。また生活習慣を見直すきっかけになり、これだけで良くなる軽症の場合があります。 |